2月・前半
2/1 |
博苦 |
拍子木に北の風景凍み渡り |
|
古苑 |
世の中の音を隠して雪の朝 |
|
てるみ |
冬の色見るゆとりなく春近し |
2/1 |
クロちゃん |
メル友と2月に入って初オフ会 |
|
古苑 |
長々とメールでお話雪もよい |
|
てるみ |
ひきこもりメールの仲で解消し |
2/2 |
クロちゃん |
春待てず親しき人の訃報聞く |
|
古苑 |
冬ざるる先立つ人のもがり笛 |
|
てるみ |
同期会なぜか会うのが恐くなり |
2/3 |
クロちゃん |
節分の太巻き寿司が東にも |
|
古苑 |
太巻きを追われた鬼もかぶりつき |
|
てるみ |
太巻きを細めに変える彼の前 |
2/4 |
古苑 |
街路樹の枝を揺するか雪しずり |
|
古苑 |
冬晴れも北の彼方は雪もよい |
|
古苑 |
猫たちもいそいそ向かう冬炬燵 |
|
古苑 |
フキノトウ私が春と威張りおり |
|
古苑 |
土の香もみんな私の春衣装 |
|
博苦 |
梅園に春の絨毯福寿草 |
|
てるみ |
引きこもり季節変わらず春何処 |
2/4 |
博苦 |
パラボラで日差し集める福寿草 |
|
てるみ |
折ずるのすだれのみ見る枯れた庭 |
2/4 |
ベースボール |
間違えも一つの個性思う今日 |
2/4 |
クロちゃん |
立春の日差し暖か春そこに |
|
古苑 |
フキノトウ箱庭に咲かす春連れて |
|
てるみ |
作られた春のみ目立つ大都会 |
2/5 |
クロちゃん |
ひと仕事申告終えて春を待つ |
|
古苑 |
使途不明確定申告何処に行く |
2/6 |
ベースボール |
投稿句なぜかなかなか浮かばない |
|
博苦 |
難しく考えないで五七五 |
|
博苦 |
思うまま言葉に出して五七五 |
2/6 |
クロちゃん |
日脚伸び明るいうちに妻帰宅 |
|
古苑 |
遊び猫帰宅の時間が遅くなり |
2/7 |
クロちゃん |
春便り孫が這い這い始めたと |
|
てるみ |
正座して人去りし後這い這いし |
|
古苑 |
足崩しお昼寝まくら春炬燵 |
|
博苦 |
春炬燵テレビを消すと眠り覚め |
2/8 |
てるみ |
愛犬になさぬ恋だと言い聞かせ |
|
てるみ |
よばいされいけませんわと犬にいい |
|
古苑 |
見上げては抱いて欲しいとニャンと鳴き |
|
古苑 |
抱かれては肩でくつろぎ耳をかむ |
2/8 |
クロちゃん |
親戚の棟上祝う玉椿 |
|
古苑 |
雪の腹棟上の音春を告げ |
|
てるみ |
棟上の屋根からの祝いなつかしく |
|
博苦 |
上棟も遠い昔の忘れ草 |
2/9 |
ふじいさむ |
紅白の 梅の香かおる 散歩道 |
|
てるみ |
梅の実が なるのはいずこ くいしんぼ |
|
古苑 |
少しだけ春連れ膨らむ梅蕾 |
|
博苦 |
香を愛でる季節は雪を溶かしつつ |
2/9 |
ベースボール |
今は亡きクラスメートを思い出し |
|
てるみ |
突っ込みの友を亡くしてボケばかり |
|
古苑 |
先に逝き宴会している仲間たち |
|
博苦 |
いざさらば六文握り渡し舟 |
2/9 |
ふじいさむ |
蝋梅が 咲いて宝登山 黄金色 |
|
てるみ |
冬の川しぶき舞台に櫂裁き |
|
古苑 |
山桜梅と開花を競い合い |
2/9 |
クロちゃん |
四温の日孫はハイハイ元気良く |
|
古苑 |
味噌豆の匂い立ちこむ作業小屋 |
|
博苦 |
酒と味噌越後農家の寒作り |
|
てるみ |
味噌買いに出掛けたついでに新純米 |
2/10 |
イチロー |
温かい 訛りがあって 雪の街 |
|
イチロー |
過疎の街 追伸のごと 窓の雪 |
|
イチロー |
物言わぬ 寒の雪なり のっしりと |
|
イチロー |
雪の客 玄関前で 手間を取り |
|
イチロー |
水墨画 見ているような 雪景色 |
|
イチロー |
寒行の 僧素通りの 吹雪かな |
|
古苑 |
雪どけに友が戻りて春うらら |
|
てるみ |
妻有りてイチロー有りの2003 |
2/10 |
クロちゃん |
暖かく三寒四温あと少し |
|
古苑 |
梅蕾薄着して待つ春浅し |
2/11 |
クロちゃん |
しとしとと降る雨にも春予感 |
|
古苑 |
煙るよに春を忍ばせ雨が降る |
2/12 |
fgf |
貴女との 写真出して 偲びける |
|
fgf |
在りし日の 貴女を思い うっとりす |
|
fgf |
赤いバックを 買いに行ったよね 高島屋 |
|
fgf |
幼き子 大きくなって 母訪ね |
|
fgf |
形見分け 思い出だけで 満足よ |
|
fgf |
もしもしと言えなくなって虚しいい |
|
fgf |
皆いつか 命あるもの 消えてゆき |
|
fgf |
冷たさに 消えた命を 確認す |
|
古苑 |
思い出がいつもの笑顔でやってくる |
|
古苑 |
呼ばれたと思い振り向く懐かしさ |
|
古苑 |
目を閉じて瞼の裏に焼きつけて |
|
古苑 |
淋しくて携帯電話抱きしめる |
2/12 |
イチロー |
不景気は 賽銭箱に しわ寄せし |
|
イチロー |
元旦の 一年の計 重たすぎ |
|
イチロー |
愚痴らずに 三が日だけ 酒を飲み |
|
イチロー |
正月が 過ぎて体重 恐ろしく |
|
イチロー |
年と影 逃げても逃げても 付いて来る |
|
古苑 |
箱庭の命爆発フキノトウ |
|
古苑 |
窓たたく吹き積む雪も春の色 |
|
古苑 |
たまの雪四温の後の春炬燵 |
|
古苑 |
猫たちも炬燵の中で春談議 |
|
古苑 |
侘び助の花綻んで春まじか |
|
博苦 |
不景気は賽銭箱もうらやまし |
2/12 |
クロちゃん |
春めいてリハ通院も楽しみに |
|
古苑 |
電車待つプラットホームは春浅し |
|
てるみ |
老いた髪椿油で艶を出し |
2/13 |
クロちゃん |
日向背にネットライフを満喫し |
|
古苑 |
さらさらと降りつむ雪よ春浅し |
|
博苦 |
春はまだ春はまだまだ我が身かな |
|
てるみ |
春こねば呼んでこようと外に出る |
|
てるみ |
友ありきお車つきで新年会 |
2/14 |
たえこ |
義理チョコと渡すあなたに愛を込め |
|
古苑 |
チョコでなく好きなお酒に愛を込め |
|
博苦 |
胸にチョコの名札を付けて食べてねと |
|
てるみ |
言えなくて義理チョコですとそっと出し |
2/14 |
クロちゃん |
バレンタインお嫁さんからチョコ届く |
|
古苑 |
バレンタイン義理チョコ食す家族の手 |
|
博苦 |
添え手紙外して妻にチョコをやり |
|
てるみ |
義理チョコでも愛されたいと中高年 |
2/15 |
ふじいさむ |
人集う 湯島天神 三分咲き |
|
古苑 |
鉢植えの侘び助ひとつ花灯り |
2/15 |
ベースボール |
バレンタインもてぬ男の寂しさよ |
|
ベースボール |
バレンタイン生まれて初のチョコレート |
|
博苦 |
チョコレート業者の主はほくそ笑み |
|
古苑 |
冷蔵庫隅から出てくるチョコレート |
|
てるみ |
同期会義理チョコ一箱皆でわけ |
2/15 |
クロちゃん |
献立のリクエスト聞かれ牡蠣フライ |
|
古苑 |
牡蠣入れて白菜白滝キムチ鍋 |
|
てるみ |
生牡蠣や三杯酢にて新純米 |
|
2月・後半
2/16 |
てるみ |
忙しさ避けて2月の新年会 |
|
古苑 |
今日だけはのんびりしたいと酒を酌み |
2/16 |
クロちゃん |
春先の旅の装いメガネから |
|
古苑 |
肩にかけ鏡に映し花衣 |
|
てるみ |
ビーズ紐おしゃれに付ける老眼鏡 |
2/16 |
ベースボール |
いつのまに句会衆に仲間入り |
|
古苑 |
句会衆仲間が一人春連れて |
2/17 |
クロちゃん |
日差し受けベランダに咲く雲間草 |
|
古苑 |
春もとめフラワーランドに集い来る |
|
博苦 |
春の花渡来で生きる駆逐花 |
|
てるみ |
沈丁花つぼみの仲間日に増えて |
2/18 |
夢追い人 |
お仲間に入りて汗かく真冬かな |
|
夢追い人 |
夢多きスタート萎む如月や |
|
夢追い人 |
暖冬の世に慣れた身の寒さかな |
|
夢追い人 |
ここかしこ職なく金なく人情なし |
|
夢追い人 |
恨みます親子を裂きし北朝鮮 |
2/18 |
クロちゃん |
三寒の後の四温はウキウキと |
|
古苑 |
土の香を探して走る遊び猫 |
|
てるみ |
三寒は遠赤札付き買い込んで |
2/19 |
イチロー |
本命は 遠い昔の 義理のチョコ |
|
イチロー |
賀状出し 沙汰無き友の 身を案じ |
|
イチロー |
羊など 見たいテレビに 邪魔になり |
|
イチロー |
気のせいか 増税分だけ 苦くなり |
|
イチロー |
近年は 寄らば大樹も 当てならず |
|
てるみ |
物欲に毒され愛を見失い |
|
てるみ |
豊ほど守りに入る上層部 |
|
てるみ |
未知の国罪無き者も差別して |
|
古苑 |
境界線越えてもとめる仮の幸 |
|
古苑 |
気のせいか隣の芝も枯れて見え |
|
古苑 |
せめてもの豊かさ求め心だけ |
2/19 |
クロちゃん |
紅梅が白壁を背に咲き始め |
|
てるみ |
紅梅の香り求めて旅に出る |
|
古苑 |
箱庭の白梅蕾膨らんで |
2/20 |
たえこ |
風邪よりも春風を待つこたつ人(びと) |
|
古苑 |
春炬燵片付けないでと猫がいい |
|
てるみ |
足腰を入れたら出せない春炬燵 |
2/20 |
クロちゃん |
寒戻り春の霰がパラパラと |
|
古苑 |
はらはらとこの身包んで春時雨 |
|
てるみ |
春コート出しては見たが飾り物 |
2/21 |
武蔵 |
寒風に つぼみ縮めて 梅悲し |
|
武蔵 |
顔なくて マスク歩きし 花粉症 |
|
古苑 |
侘び助の花震わせて寒戻り |
|
てるみ |
二刀流杉に勝てずにくしゃみする |
|
musasi |
お杉さん 私は完璧 敗けました |
|
musasi |
二刀流 山にこもりて くしゃみかな |
2/21 |
クロちゃん |
梅便り梅ケ枝餅の思い出が |
|
古苑 |
山桜梅より早く春を告げ |
|
musasi |
夢見ごと 庭木の梅の つぼみかな |
|
musasi |
梅一枝 惹かれし匂い 寄りてゆく |
|
てるみ |
淡き色ほのかな香りお茶の友 |
|
博苦 |
官公も香りに勝てず餅を食い |
2/22 |
クロちゃん |
昔年の同僚と飲む酒美味し |
|
古苑 |
久方に友の笑顔に触れ和み |
|
てるみ |
世の問題わが同朋を悩まして |
2/23 |
てるみ |
梅の香に誘われ旅人寄り添って |
|
てるみ |
冷ややかな風心地よく露天風呂 |
|
てるみ |
ジャグジーの泡に隠れて触れる足 |
|
てるみ |
いびきかくつれあい横目に春の海 |
|
古苑 |
身体中だましだまして今日も行く |
|
musasi |
におい来て 足の向かるる 梅香かな |
2/23 |
クロちゃん |
オープン戦トラ勝っていると孫の声 |
|
古苑 |
オープン戦?もうそんな時期と笑みこぼれ |
|
博苦 |
オープン戦軍艦マーチと玉の音 |
2/24 |
クロちゃん |
即席も故郷の味味噌煮込み |
|
musasi |
味噌煮込み 身体の底から ホッカホカ |
|
古苑 |
立春を待って豆煮る味噌仕込み |
|
博苦 |
八丁の黒さで煮込むモツの味 |
|
てるみ |
一箸でどんぶりめしのくるみ味噌 |
2/24 |
musasi |
笑顔来て 早や宴とか 梅つぼみ |
|
musasi |
つぼみこそ 至福の時と 梅見かな |
|
musasi |
寒風に 震えつ交わす 梅見酒 |
|
musasi |
いく度目ぞ 梅見の宴 今日もまた |
|
musasi |
小雪舞う 春待たるるや 庭の園 |
|
古苑 |
鉢植えの梅綻んで春の宴 |
|
古苑 |
庭先の蕾肩寄せ寒戻り |
|
古苑 |
梅桜まだかまだかと春を待ち |
|
博苦 |
牡丹雪乗せて重たや香り花 |
2/25 |
博苦 |
丑三つの寝床で聞くや垂り雪 |
|
古苑 |
風花を窓越しで受ける遊び猫 |
|
てるみ |
丑三つに新車の使用書解読し |
2/25 |
ベースボール |
雪降りし 春はまだかと まちわびて |
|
古苑 |
侘び助の蕾揺らして春の雪 |
|
博苦 |
侘助の蕾揺らして君果てり |
|
てるみ |
冷え切った仲見世桜の花を待つ |
2/25 |
クロちゃん |
春初めドック代わりの検査受け |
|
古苑 |
誕生日祝い代わりにドック入り |
|
博苦 |
献血でエイズ肝炎検査受け |
|
てるみ |
検査受け順調ですと肥満つげ |
|
てるみ |
しぶといと落ちない脂肪にらみつけ |
2/26 |
イチロー |
消費税 永田町でも 騒がしく |
|
イチロー |
古希となり しみじみと見る 蕨の行 |
|
イチロー |
卒業式 何時もの手付きで 煙草吸い |
|
イチロー |
嫁からも 見放されたか 義理のチ |
|
イチロー |
雪つりの 縄弦のよう 風の音 |
|
古苑 |
我が家にも銀行開設箪笥預金 |
|
古苑 |
利子なんかあてにするほど金もなし |
|
古苑 |
軒下に取り残された雪の山 |
|
古苑 |
梅ノ木の餌台に集う鳥の声 |
|
博苦 |
決算期どこに行ったか消費税 |
|
てるみ |
戻し税どこか無いかと領収書 |
2/26 |
musasi |
初陣を 杉に敗れし musasiかな |
|
musasi |
淡雪の 障子にしみる 寒さかな |
|
musasi |
淡雪や 手に解けいりぬ はかなさよ |
|
musasi |
雪舞いて 寒さ戻りぬ 庭の園 |
|
musasi |
舞う雪を はじき飛ばして 子ら走る |
|
古苑 |
ハラハラと帰りそびれた冬の使者 |
|
古苑 |
淡雪よ何処に降りるか風にのり |
|
古苑 |
風の音背中で聞いて春炬燵 |
|
博苦 |
庵(伊織)立て悟りの五輪武蔵かな |
|
てるみ |
まぎらわし風邪か疲れか花粉症 |
|
イチロー |
酒お菓子 どちらも好きな 二刀流 |
2/26 |
クロちゃん |
父命日14年前は寒かった |
|
古苑 |
ひな祭り母の命日かさなりて |
|
てるみ |
辰年の父にささげた墨神龍 |
2/27 |
クロちゃん |
折り紙の雛人形飾りつけ |
|
古苑 |
春つれて笑いかけてる雛の顔 |
|
てるみ |
白酒を交す女子無く男だけ |
2/28 |
クロちゃん |
マンネリも無事を喜び2月終え |
|
古苑 |
気がつけば庭の隅々春衣 |
|
博苦 |
何も無い事が無いよな去年今年 |
|