11月5日 | 博苦 | 葛切りを波に見立てて鍋の海 |
てるみ | 自立する息子とつつく親子鍋 | |
古苑 | まな板の上で包丁阿波踊り | |
11月7日 | イチロー | 秋の空 三重塔 溶け込んで |
イチロー | 思い出の 暑さも今は 懐かしく | |
イチロー | 草を抜く 指ベテランの 習い性 | |
イチロー | 隅ずみと 新聞読んで 昼となり | |
てるみ | 紅葉の色むなしくて秋深く | |
古苑 | 山あいに十一月の風の吹く | |
11月11日 | 高麗屋 | おおなゐに稲穂も水に埋れけり |
てるみ | 冬近し胸痛くなる災害地 | |
古苑 | 地震痕ため息ひとつ冬支度 | |
11月12日 | 高麗屋 | 秋深し大叔父の元に旅立てり |
てるみ | 天国へ上る御霊に幸あれと | |
古苑 | 天国にも居酒屋暖簾のあるという | |
11月13日 | てるみ | 何気ない会話にクスと笑み浮かべ |
古苑 | 日本語の素敵なわざに笑みが沸く | |
11月13日 | 博苦 | 婿(むこ)ですか?母はお客に『はい!』と言い |
てるみ | 所作が似て姑と暮らした時を知る | |
古苑 | いつの間に娘と呼ばれる嫁になり | |
11月14日 | イチロー | 蜂の舞 色無き花も 差別無く |
イチロー | 落ちりんご 安売りの列 後少し | |
イチロー | 雑草も 主役となる日 夢見てる | |
イチロー | 秋空に 何時終わるやら 余震有り | |
てるみ | 揺れ動く日本列島呼ぶ地震 | |
古苑 | これでもか断りもなく来る余震 | |
11月17日 | クロちゃん | インフルエンザ予防接種で冬支度 |
クロちゃん | 寒い朝紅色の葉も鮮やかに | |
クロちゃん | 公園に目立つ銀杏黄金色 | |
古苑 | ポプラの木真ん中あたりに冬支度 | |
てるみ | 注射きらい明日明日と日を延ばし | |
11月18日 | 博苦 | 明日あると思って眠る初時雨 |
古苑 | 引寄せてぬくもりひとつ猫炬燵 | |
てるみ | 一人酒思い巡らせ夜があける | |
てるみ | 秋の夜考え浮かばず飲みすぎた | |
11月23日 | イチロー | ちっぽけな 望みかなって安眠し |
イチロー | 連続の 台風を書く 農日記 | |
イチロー | 虫時雨 何時終わったか いわし雲 | |
イチロー | 紅葉の 写す池有り 秋盛り | |
イチロー | 落葉し 見透視戻る 駅広場 | |
古苑 | あの角を曲がればパン屋がありました | |
古苑 | 鳩の来るホームで電車を待ってます | |
てるみ | 育て終え姉妹夫婦が忘年会 | |
11月23日 | 博苦 | 籐九朗白と碧の塩加減 |
古苑 | 白菜のつめたき肌よ冬来る | |
てるみ | 長屋門いわし料理と八海山 | |
11月25日 | 高麗屋 | 山茶花やけふ大叔母の大練忌 |
古苑 | 外に出てみませと月の誘いけり | |
てるみ | もくぎょうを皆でたたいて三回忌 | |
11月27日 | 高麗屋 | 外国に来たようだねと紅葉狩り |
てるみ | タイミングはずして紅葉見損ない |