2月・前半
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てるみ |
目の前に広がる世界サイパンの虹 |
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ふじいさむ |
こんな虹 見に行きたいな サイパンへ |
2/1 |
イチロー |
一本の 徳利二人の 仲を持ち |
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てるみ |
飲み干して主人のおちょこと取り替える |
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ふじいさむ |
一人酒 ついテレビにも 返事する |
2/1 |
高麗屋 |
水仙花家族のように群れて咲く |
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高麗屋 |
初雀五十路の我も遊びたや |
2/3 |
イチロー |
過疎の街 残ったものに 人情が |
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てるみ |
体温を感じる街がなつかしく |
2/5 |
イチロー |
四百歳 雛の案内 みちのく路 |
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てるみ |
花よりも楽しみなのは桜餅 |
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古苑 |
眠りから 目覚め春告ぐ 人形さま |
2/5 |
高麗屋 |
ハネムーンオーストラリアより子の帰る |
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高麗屋 |
麻痺の身を抱え寒月仰ぎ見る |
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高麗屋 |
春立つ日君住む町の灯を恋うる |
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古苑 |
ハネムーンは 夜行列車で 温泉に |
2/7 |
雨人 |
猫にらみ パパの声にも 振り向かず |
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古苑 |
降る雪に あわせ首振る 親子猫 |
2/7 |
イチロー |
長生きを 笑い皺寄せ 話しする |
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ふじいさむ |
長生きは 元気で楽しく 居たいもの |
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てるみ |
時たてど心は今もお雛様 |
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てるみ |
しわしわの顔に笑顔の内裏雛 |
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てるみ |
雛あられ甘納豆だけ寄せ集め |
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古苑 |
いつの間に 孫の自慢の 言い放題 |
2/8 |
ベースボール |
雪降りし 春はまだかと 思いつつ |
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古苑 |
音たてて 舞い降りとける ぼたん雪 |
2/9 |
イチロー |
今朝もまた 除雪の音に 急かされる |
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古苑 |
春のやつ 三寒四温と 音をたて |
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てるみ |
春一番眼も明けられず後ろ向き |
2/10 |
クロちゃん |
昼過ぎて寒さ和らぎ春予感 |
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クロちゃん |
寒い中待合室はにぎやかに |
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ふじいさむ |
梅園の 噴水飾る 虹の橋 |
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古苑 |
鉢植えの 梅のつぼみに 色ともり |
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てるみ |
春よ来い早く来いよと桜待ち |
2/11 |
イチロー |
いまさらの 禁煙迷う 七十路 |
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ふじいさむ |
禁煙し もう10年目に 入ります! |
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古苑 |
茶箪笥の すみが定位置 煙草盆 |
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てるみ |
肝脂肪禁酒といわれてしょぼくれる |
2/11 |
高麗屋 |
糸電話内緒話は猫の恋 |
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高麗屋 |
まんさくの咲く空の青我のもの |
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高麗屋 |
葱坊主隣の庭にふたつ三つ |
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てるみ |
人妻の恋は切なく人知れず |
2/13 |
イチロー |
飢えしのぐ かの地に拉致の 人残り |
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てるみ |
力なく腹立たしさのみ先行し |
2/14 |
ふじいさむ |
バレンタイン 義理チョコ貰う 年になり |
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てるみ |
日本中ハート付いたり離れたり |
2/15 |
高麗屋 |
観梅や苦吟の様の我の顔 |
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高麗屋 |
観梅や髪押さえつつ仰ぎけり |
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高麗屋 |
早春賦口遊みゆく上州路 |
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2月・後半
2/17 |
イチロー |
老人会 詐欺師肴に 盛り上がり |
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ふじいさむ |
老人会 みんな来てます 梅祭り |
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てるみ |
定年を狙って群がる若手詐欺 |
2/18 |
高麗屋 |
CMの幸四郎笑み梅開く |
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高麗屋 |
早春や爪先立ってをりにけり |
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高麗屋 |
商店の日よけ吹き上げ春一番 |
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てるみ |
中村屋一族揃って春来る |
2/18 |
クロちゃん |
通院も春の兆しで気持ちよく |
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クロちゃん |
ありがたや三寒のあとの暖かさ |
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クロちゃん |
桜草一足早く春迎え |
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クロちゃん |
紅梅の盆栽ひっそり軒の下 |
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古苑 |
小さき庭 三寒四温と 春迎え |
2/19 |
イチロー |
待合所 咳と咳とが 挨拶し |
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古苑 |
春一番 コンと小さき 咳をする |
2/20 |
古苑 |
猫たちも 井戸端会議か 春隣り |
2/21 |
イチロー |
寒冷夜 水道水の 音静か |
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古苑 |
旅立ちはいつにしますと渡り鳥 |
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てるみ |
天然のボケで水道一晩中 |
2/22 |
博苦 |
発作過ぎ汗に明日見ゆ我が心 |
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てるみ |
悪友の大事に我が胸狭心症 |
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古苑 |
ストレスは 外にお出でと 豆をまく |
2/23 |
イチロー |
雪女 訪ね来そうな 夜の雪 |
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古苑 |
さらさらと 降っては融ける なごり雪 |
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てるみ |
雪女暖冬続きで出番無し |
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てるみ |
雪女運動不足で雪だるま |
2/25 |
イチロー |
落ち着くは 漬け物の味 小正月 |
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古苑 |
女房の 永遠の夢 小正月 |
2/26 |
高麗屋 |
高麗屋仁木のできる顔と柄(にん) |
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てるみ |
好奇心広く浅くでまとまらず |
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古苑 |
好奇心 覗いて閉じて また覗く |
2/27 |
てるみ |
うらめしやパソコン前ににらめっこ |
2/27 |
ふじいさむ |
梅の香が 漂う里も 梅祭り |
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ふじいさむ |
今年また 鶯が訪れし 庭の梅 |
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ふじいさむ |
陽だまりに 見上げる空に 梅一つ |
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ふじいさむ |
二つ三つ 咲き始めたり 梅の花 |
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ふじいさむ |
早春の 気配感じる 散歩道 |
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イチロー |
淡き陽を 浴びて陽だまり 車椅子 |
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イチロー |
マンサクや 今年も無事に 冬を越し |
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イチロー |
在宅の 介護受けつつ 余寒かな |
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イチロー |
剪定の 梅の小枝が 春を呼び |
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イチロー |
観梅は 居間の小さな 鉢の中 |
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イチロー |
玄関に 一輪一輪 冬の梅 |
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クロちゃん |
早春に慌てて芽吹き寒さ知る |
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クロちゃん |
早春に新ランドセル背負う孫 |
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クロちゃん |
通院で観梅済ますリハビリ児 |
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クロちゃん |
出られずもネット仲間から梅便り |
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古苑 |
早春の風におされて畑仕事 |
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古苑 |
早春のつめたき風に肩すくめ |
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古苑 |
餌台に集う鳥たち春はこび |
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古苑 |
鉢植えの枝かざりおり梅の花 |
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古苑 |
玄関の鉢植えの梅いま満開 |
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雨人 |
吐く息の 白さに驚く 早春の朝 |
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てるみ |
早春や気持ち新たに接続し |
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てるみ |
観梅の話を土産に同期会 |
2/27 |
雨人 |
梅の香を 我が居に散らす 娘かな |
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てるみ |
花の香は渇きに負けて今いずこ |
2/27 |
イチロー |
親ばかの 尻尾を切って フリーター |
2/29 |
イチロー |
微かなる 光り集めて ふきのとう |
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