11月・前半
11/2 |
イチロー |
本読みて 膝の寒さよ 秋深し |
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てるみ |
さらし巻き秋を感じる腰守り |
11/3 |
イチロー |
山寺や 対面石に 降る紅葉 |
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古苑 |
いただきを見上げもみじの石地蔵 |
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イチロー |
菊人形 昔の化粧 教えけり |
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ふじいさむ |
千段も 登る山寺 紅葉燃え |
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ふじいさむ |
願い込め 石段登る 立石寺 |
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古苑 |
秋の日に 菊人形も 目を細め |
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てるみ |
窓影に蔦力尽き躍り落ち |
11/4 |
イチロー |
備蓄米 俺の出番と 得意顔 |
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ふじいさむ |
初物を 盗む泥棒 新米も |
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ふじいさむ |
新米を 買った積りが ブレンド米 |
11/4 |
高麗屋 |
初秋や酒屋の内儀賞給ふ |
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高麗屋 |
蕎麦打ちの額に汗や秋の昼 |
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高麗屋 |
をさなごの遊びの中に赤のまま |
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高麗屋 |
萩の群をちこち子等のかくれんぼ |
11/5 |
イチロー |
老夫婦 そば屋で注文 マニフェスト |
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ふじいさむ |
マニフェスト 何処から食えば 良いですか |
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ふじいさむ |
マニフェスト 嘘の公約 示すだけ |
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てるみ |
マニフェスト字の小ささに不安増し |
11/6 |
博苦 |
母を連れ湯治させたく今朝も起き |
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ふじいさむ |
親孝行 していた時 懐かしい |
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てるみ |
世話かけも親孝行と親不孝 |
11/6 |
イチロー |
秋夜長 名月肴 酒美味し |
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てるみ |
秋散歩出会いの居酒屋上手い酒 |
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博苦 |
名月を背に恋文を君に書き |
11/8 |
イチロー |
ウグイスも 末はカラスで 絶叫し |
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ふじいさむ |
声からし 国民騙す 議員達 |
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博苦 |
戦国の選挙に何とほととぎす |
11/10 |
イチロー |
秋冷雨 更地となりし 店舗跡 |
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博苦 |
秋冷風シャッター街に響く音 |
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てるみ |
そびえ立つ駅ビル近くに秋の風 |
11/11 |
イチロー |
精根を 自慢のできる 菊花展 |
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博苦 |
紫をもってのほかと菊花食べ |
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古苑 |
食卓に秋を彩る「かきのもと」 |
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てるみ |
くまで持つ人波できる季節かな |
11/12 |
イチロー |
露天風呂 月も星をも 揺らしつつ |
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古苑 |
はさ木揺れ風通り抜け冬隣り |
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てるみ |
冷えた身と大きなため息露天風呂 |
11/13 |
イチロー |
口喧嘩 刃よりも怖い 捨て台詞 |
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てるみ |
口火きり長年の愚痴並べ立て |
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古苑 |
喧嘩する 相棒のいる 幸せよ |
11/14 |
てるみ |
胸筋を鏡に映してナルシスト |
11/15 |
てるみ |
秋の世や気使う友の思いやり |
11/15 |
イチロー |
乳母車 杖替わりなり 秋日和 |
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11月・後半
11/16 |
イチロー |
今日もまた 玉虫色の イラクかな |
11/17 |
古苑 |
残り葉が 天まで届け ポプラの木 |
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てるみ |
なつかしい歌声感じるポプラかな |
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博苦 |
冬空に真っ直ぐ並ぶポプラの木 |
11/18 |
イチロー |
中腰や しゃがむ人あり 菊花展 |
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古苑 |
秋の日を浴びて菊花の背比べ |
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てるみ |
天の仰ぎ背を伸ばし立つ菊の花 |
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ふじいさむ |
菊人形 見たり描いたり 写したり |
11/19 |
博苦 |
ア○スター差別の化粧顔に塗り |
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てるみ |
人癒す為だけにある地の恵み |
11/20 |
イチロー |
闇深し 虫の声のみ 澄み渡り |
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てるみ |
歯の治療耳元で鳴る腹の虫 |
11/21 |
クロちゃん |
喪の知らせ届きあわてる年用意 |
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クロちゃん |
公園も紅葉始まり赤黄色 |
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てるみ |
屋根つきの車にそっと指隠 |
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高麗屋 |
てるみさんのレス見てそうそうと独り言 |
11/21 |
イチロー |
送り出し 夫の知らぬ 出会い妻 |
11/22 |
イチロー |
早かりし 通院支度の 冬帽子 |
11/22 |
博苦 |
山紅葉月に白雲里霞刃に勝る贅沢は無し |
11/23 |
高麗屋 |
顔見世や母と陣屋に涙せり |
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高麗屋 |
紅葉する道の辺の木々愛でてをり |
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高麗屋 |
秋の夕歌舞伎座迄を母と行く |
11/23 |
高麗屋 |
麻痺の身に席譲られてありがたし |
11/24 |
イチロー |
秋夜長 議事の進まぬ ままに過ぎ |
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てるみ |
物言えば誰の店かと却下され |
11/25 |
イチロー |
一山が 万華鏡なる 紅葉かな |
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ふじいさむ |
あちこちの 色ずく紅葉 霧の中 |
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てるみ |
紅葉に遊ぶ時なし土産店 |
11/26 |
イチロー |
いつの間に 忘れましたで 済む年に |
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ふじいさむ |
とぼけたら 本当ですかと 尋ねられ |
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てるみ |
移動する間に用件忘れ去り |
11/27 |
ネック |
がんばって(^−^)やさしく励ます 師匠の手 |
11/28 |
博苦 |
差し向かいおでんの湯気に君の顔 |
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博苦 |
通勤の道は冷たし息白し |
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古苑 |
木枯らしが遠くに聞こえるおでん鍋 |
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古苑 |
寒空にコンビニおでんの熱き湯気 |
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古苑 |
北風に冷たし君の小さき頬 |
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古苑 |
吐く息を手で受け冷たし朝の癖 |
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ふじいさむ |
今夜こそ おでん囲んで 仲直り |
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ふじいさむ |
お帰りと おでんの香り お出迎え |
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ふじいさむ |
おでん屋の 赤い提灯 風に揺れ |
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ふじいさむ |
顔洗う 冷たき水に 手もこおり |
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ふじいさむ |
冷たさに 身も引締まる 日暮れ時 |
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イチロー |
定年に 離婚してよと いやし妻 |
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イチロー |
冷戦に 暖めますかと 出すご飯 |
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イチロー |
冷夏にて 出番の来ない かき氷 |
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イチロー |
玉の肌 見せて媚び振る ゆで卵 |
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イチロー |
同じ種 同時箸出る おでん鍋 |
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イチロー |
不信持ち おでんのキノコ 図鑑出し |
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てるみ |
三日三晩おでんばかりと怒られる |
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てるみ |
働けど冷たき国の税改正 |
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てるみ |
冷えた手を同じポケット二人連れ |
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てるみ |
屋台でのおでんデビューを夢に見て |
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クロちゃん |
冷たさに鋭く反応鼻水が |
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クロちゃん |
作りすぎ何時もおでんは二日間 |
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ネック |
暖冬に おでんの鍋も 寂しそう |
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ネック |
落ち葉踏み 冷たし夜空 明日師走 |
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ネック |
葉の落ちた 柿の木に実が 冷たそう |
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利舟 |
大根炊く湯気白くて窓は雨 |
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利舟 |
靴脱ぎて床の冷たさ小走りに |
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利舟 |
ひゅうっと風のようやく冷たくに |
11/28 |
高麗屋 |
切る手間の要らぬおでんに助けられ |
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高麗屋 |
麻痺の手にいよよ冷たし年の暮れ |
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てるみ |
あれこれと入れてるうちに大お鍋 |
11/28 |
てるみ |
冷たさは麻痺のこの手に時を教え |
11/29 |
イチロー |
落ち鮎に 吾が人生を 写し見る |
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てるみ |
重ね着のせいに出来るか大食らい |
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博苦 |
ガリレオもクソの落ちるの気が付かず |
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イチロー |
落下する 林檎ニュートン 恨んでる |
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博苦 |
ニュートンもクソの落ちるの気が付かず |
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てるみ |
引力に勝てぬ我が身に年思う |
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