10月・前半
10/01 |
ゆうこ |
秋の雲優しさいだきながれをる |
ゆうこ |
空色に透けてコスモス涙かな |
ゆうこ |
秋の雲優しさ抱き流れゆく |
利舟 |
雨に濡れ木犀のみが通り抜け |
利舟 |
雨打たれ秋明菊の散り果てる |
pink |
十五夜の 美しきかな 黄金色 |
pink |
雲のない十五夜めでて手を合わす |
てるみ |
秋雨や 月も涙の 石畳 |
クロちゃん |
雨止んで澄んだ夜空に月高く |
てるみ |
雨止んで澄んだ夜空に深呼吸 |
10/02 |
利舟 |
秋空にくっきり残す飛行機雲 |
|
博苦 |
キャンバスに白一直線の秋の空 |
|
てるみ |
秋の陽は、手かざしむなしく 肌を刺す |
|
クロちゃん |
まんまるの十六夜見上げ幸願う |
|
てるみ |
十六夜 人の話で がまんして |
10/03 |
まさよん |
光る月 裏側はどうなって いるのやら |
|
まさよん |
月うさぎ チーズ工場 人の顔 |
|
まさよん |
麦照らす ハーベストムーンの 大きさや |
|
まさよん |
遠い友 見てるかと手振る 同じ月 |
|
まさよん |
海に落ちる 光りを波が 動かして |
|
てるみ |
隠れたる 裏の姿は 光る月 |
|
てるみ |
見てるかと手を振り秋月 遠い友 |
|
てるみ |
水平線 月光の波 ゆらゆらと |
|
クロちゃん |
メール待つ東の空に立待月 |
10/04 |
てるみ |
秋の日に 旅立つ便り 手を合わせ |
|
てるみ |
思い出の 菊一輪を 仏壇に |
|
博苦 |
悠然(友禅)と聞く(菊)往生に手向け花 |
|
クロちゃん |
読書し一人寂しく居待月 |
10/05 |
博苦 |
満月を口に頬張る月日貝(ツキヒガイ) |
|
利舟 |
夜半の雨木葉の雀羽振るう |
|
利舟 |
雨打ちて地を染めたる木犀や |
|
クロちゃん |
寝待月雲に隠れて待ちぼうけ |
10/06 |
クロちゃん |
小食で茶碗の中栗だらけ |
|
てるみ |
付け爪は むき甘栗と 食を変え |
10/07 |
利舟 |
陽傾き黄金に光るすすき穂が |
|
利舟 |
刈り終えし田の残り水に蛙をり |
|
利舟 |
畑中に心やさしき菊咲きて |
|
てるみ |
筆を持つ 時が恋しい 秋の夜 |
|
てるみ |
胸筋が 土俵に光る 戦闘竜 |
|
てるみ |
近代は 美男におわす 力士たち |
|
てるみ |
しょっきりの 生き合う姿に 手をたたき |
|
クロちゃん |
おたふくで我が家で過ごす運動会 |
10/08 |
利舟 |
また一人火焔太鼓のビデオ聴く |
|
クロちゃん |
「クロちゃんの作品集」作りました |
|
てるみ |
日を重ね 命燃やした 友を見る。 |
|
クロちゃん |
秋寂しひとり留守番パソ相手 |
|
てるみ |
秋風に 乗って友の ベルの音 |
10/09 |
ささき |
月明かり 秋の灯ひとつ 山の上 |
|
ささき |
秋風に 揺らぐすすきや 富士の山 |
|
クロちゃん |
秋晴れでリハビリの足も軽やかに |
|
てるみ |
お御輿が去ってさびしい秋の空 |
10/10 |
利舟 |
雨降りて気持ち新たな記念日に |
|
てるみ |
子育てを 終えて再び 新婚へ |
|
クロちゃん |
まるまるの秋刀魚にスダチ酒美味し |
|
てるみ |
脂のるノルウェーの勝ち秋の鮭 |
10/11 |
まさよん |
青い空 映す小川に赤一葉 |
|
まさよん |
針葉樹越しの岩山 粉はたき |
|
まさよん |
カシオペア 木々の隙間に 息白く |
|
てるみ |
誘われて ライトアップの 椿山荘 |
|
てるみ |
二人して 一足速く 紅葉し |
|
クロちゃん |
天高し目的ひとつやり遂げて |
|
博苦 |
季寄せ終え次短冊と秋の暮れ |
|
てるみ |
秋晴れと 洗濯家事で 腰痛め |
10/12 |
クロちゃん |
夜寒さに慌てて窓を閉めに行き |
|
てるみ |
秋の日は 羽織しのばせ 寄り添って |
10/13 |
博苦 |
背伸びして太鼓打つ子の秋祭り |
|
クロちゃん |
秋色の植物園もバリアフリー |
10/14 |
博苦 |
秋風に揺れる孤舟の舫い綱 |
|
博苦 |
柿紅葉夕陽の赤と競い合い |
|
利舟 |
秋風はすすき揺らすが似合うており |
|
利舟 |
秋の風里芋の葉も裏返し |
|
利舟 |
熟す柿既に鳥の餌食なり |
|
利舟 |
柿の葉に金時虫の群おりて |
|
利舟 |
柿なます食す祝い膳色添える |
|
ネック |
柿の葉が 枯れてカサコソ 秋風に揺れ |
|
まさよん |
朝市で 懐かしき色 柿の色 |
|
まさよん |
ハロウインの カボチャ並びて 柿の色 |
|
まさよん |
秋風が 海を運んで 霧となり |
|
博苦 |
物思い耽る孤庵に秋の風 |
|
博苦 |
柿食えど六つには早く浅草寺 |
|
クロちゃん |
むきにくく皮ごと食べる熟し柿 |
|
クロちゃん |
秋風が植物園の色染める |
|
ゆうこ |
秋風にふかれてポツリ独り言 |
|
ゆうこ |
楽しみの休日なくなり秋の風 |
|
てるみ |
暖かい部屋に秋風通り過ぎ |
|
てるみ |
秋風が運ぶ思いに背を向けて |
|
てるみ |
柿買って早く剥いてとねだる君 |
|
てるみ |
本物かおもわず触れる秋オブジェ |
|
pink |
歩みあと ポトッと落ちて 柿ひとつ |
|
pink |
柿の葉や 染めて渋けり 母ごろも |
|
pink |
秋の風 吹かれて淋し 夫の髪 |
|
だるま君 |
秋風も 心地好きかな 運動会 |
|
だるま君 |
秋風に 乗せて平和の 祈り描く |
|
だるま君 |
柿を手に 老父の笑顔 窓覘く |
|
NANA |
柿二つ 秋を満喫 太る腹 |
|
NANA |
秋風に 乙女に戻り 目を閉じて |
|
NANA |
秋風と ともに去りゆく 恋心 |
|
ささき |
柿青く 富士の山野も 紅葉待つ |
|
ささき |
絵手紙は 季節先取り 柿熟らし |
|
ささき |
秋風に 揺らぐ穂棚や 富士に雲 |
|
クロちゃん |
ベランダにコスモスの鉢仲間入り |
|
てるみ |
秋風に身をゆだねたる可憐花 |
10/15 |
だるま君 |
君添えし 言葉に四季の 温もりや 開けて窓辺に 瞳を投げん |
|
クロちゃん |
ベランダのコスモスに集う秋の蝶 |
|
博苦 |
行く秋に名残惜しそう蝶の舞 |
|
てるみ |
風にゆれ蝶とゆれなす秋の花 |
|
10月・後半
10/16 |
博苦 |
車椅子友と菊見の浅草寺 |
てるみ |
久々の友のぬくもり暖かく |
ぱふぱふ |
手に負える広さで菊を育ており |
ぱふぱふ |
しばらくはモネの気分で秋景色 |
ぱふぱふ |
秋高しキリンも背筋伸び歩む |
クロちゃん |
時期早しマッタケ無しの茸飯 |
利舟 |
松茸に名残はもの汁旨し |
てるみ |
店先に香る松茸お弁当 |
博苦 |
出汁が効くマイタケ泳ぐ茸汁 |
ゆうこ |
虫の音が消えた野原に満ちる秋 |
10/17 |
ぱふぱふ |
茶を点てる外は静かに秋の雨 |
|
ぱふぱふ |
言の葉をひとつおきけり花桔梗 |
|
ぱふぱふ |
柿ひとつ落ちて転げる荒き雨 |
|
博苦 |
言霊をひとつおきけり枯れ薄 |
|
てるみ |
お茶席で 心静かに 秋を見る |
|
てるみ |
人目避け 一呼吸置く 秋模様 |
|
てるみ |
物憂げに陽だまりに立つ老いを見る |
|
クロちゃん |
秋愁い同じ顔ぶれ待合所 |
|
てるみ |
待合所秋風とともに人が増え |
10/18 |
ネック |
紅葉の 桜の庭木 花咲かせ |
|
利舟 |
秋の雨二日続きで衣替へ |
|
利舟 |
秋の雨薔薇落ち菊開きたり |
|
てるみ |
秋雨や大きな傘で夜目遠め |
|
クロちゃん |
朝寒を痛さで知らせる麻痺の足 |
|
てるみ |
腰痛は秋の天気を言い当てる |
|
博苦 |
湯豆腐を湯気から冷ます味ポン酢 |
|
てるみ |
食も良し芸術も良し秋の色 |
10/19 |
ぱふぱふ |
秋深し人と人との距離縮む |
|
ぱふぱふ |
白山の神にも雪の降るニュース |
|
博苦 |
初雪や白山颪竹に舞い |
|
クロちゃん |
柿の顔丸や四角で味比べ |
|
てるみ |
柿のみを眺めて筆持ち筆を置く |
|
pink |
秋昼の 飛び出すはだか やけど負い |
10/20 |
pink |
見てる間に 背中の紅葉 火傷あと |
|
クロちゃん |
秋寒に膝掛け出してパソ遊び |
|
てるみ |
さらしまき帯を締めての店の番 |
10/21 |
てるみ |
太平洋伊豆山横に昼寝する |
|
てるみ |
アリンコと見つめ合いして湯につかる |
|
てるみ |
秋風に背なを押されて帰途に着く |
|
博苦 |
伊豆山を背に紅葉かなMOA |
|
てるみ |
日おつる秋の山並み姫の沢 |
|
てるみ |
お預けの秋のお山に赤一つ |
|
博苦 |
歴史考お田つまみに寝床酒 |
10/22 |
クロちゃん |
こつこつと折り紙作り秋夜長 |
|
てるみ |
仕上がりにときめく思い秋の夜 |
|
利舟 |
秋の海竿先忘れ空眺む |
|
利舟 |
五目釣り数えてみたら九目釣り |
|
利舟 |
釣りよりもワイワイガヤガヤ時潰す |
|
利舟 |
若作り競う年なり従兄弟会 |
|
利舟 |
海を見る伴侶亡くす義姉ひとり |
|
利舟 |
再会を約す言葉に力入り |
|
てるみ |
秋の山 せせらぎの音 二人して |
|
てるみ |
足とられ手をとり秋の山歩き |
|
てるみ |
子供ずれ出会いて昔話する |
|
クロちゃん |
ベランダのコスモスの鉢もう少し |
10/23 |
博苦 |
霜降と夏日の同居異変なり |
|
てるみ |
うたた寝し寒さを感じ朝向かえ |
|
クロちゃん |
柿の木と間違うほどに黄色の葉 |
|
てるみ |
仲見世も秋がきたかと枯葉かな |
10/24 |
博苦 |
只管打坐真似て静かな秋未明 |
|
博苦 |
只管打坐膝が固くて真似られず |
|
てるみ |
座禅くみ重みに絶えず足きしむ |
|
まさよん |
秋のない この地域にさえ しんしんと |
|
まさよん |
枯れ色の 秋風に揺れる 草強し |
|
ぱふぱふ |
浅漬けの大根持って酒持って |
|
ぱふぱふ |
一息に酒飲み干して夜寒かな |
|
クロちゃん |
秋晴れにリハビリ仲間顔を見せ |
|
てるみ |
久々に会う友のためストラップ |
10/25 |
てるみ |
ちょっと待て仕事は急に止まらない |
|
てるみ |
焼いもを抱いてニヤリ帰宅する |
|
博苦 |
焼き芋のお焦げパリパリ香ばしく |
|
利舟 |
いつもの池去年(こぞ)の鴨来て秋深し |
|
利舟 |
鵯のけたたましさと歯磨く |
|
利舟 |
秋の空チッチッと去る四十雀 |
|
利舟 |
長旅を癒し干潟に群れる鴨 |
|
クロちゃん |
腹筋し窓から望む秋の空 |
|
博苦 |
残したい子々孫々へ秋の空 |
|
てるみ |
写真集残したくても間に合わず |
10/26 |
博苦 |
秋の暮れ都会を望む三番瀬 |
|
まさよん |
足を病み 大きな毛が揺れ 散歩道 |
|
まさよん |
告げずとも 手術を知るや 犬震え |
|
まさよん |
見上げる目 肩に身を寄せ 車中にて |
|
クロちゃん |
花金も遠い昔の秋夜長 |
|
てるみ |
花金の力も年とともに無く |
10/27 |
てるみ |
グラッチェか グラーシャスかと 秋の空 |
|
てるみ |
テロ怖し 浅草英語に カビ生えて |
|
沙羅 |
風にのり 友に誘われ 仲間入り |
|
かみ |
鰯雲友の友がともに居て |
|
だるま君 |
沙羅の香に 秋の深さを 忘れけり |
|
ゆうこ |
トンチンの寄せ鍋なべの味舌鼓 |
|
ゆうこ |
点々を埋めてトンチン愉快な輪 |
|
クロちゃん |
久しぶり牛の顔見るすき焼きで |
|
てるみ |
食欲のこの次期横目で匂いだけ |
10/28 |
利舟 |
雨に濡れ柿一段と色づきし |
|
利舟 |
雨模様車の少なし秋サンデー |
|
利舟 |
雨前の吹きし風に葉落とす |
|
てるみ |
秋雨の音にあわせて家仕事 |
|
博苦 |
秋時雨逢いに行きたし傘は無し |
|
博苦 |
秋時雨食いに行きたし店は無し |
|
博苦 |
秋時雨飲みに行きたし朋は無し |
|
博苦 |
秋時雨旅に行きたし暇は無し |
|
利舟 |
秋時雨店はあるけど食う気無し |
|
利舟 |
秋時雨友は居るけど飲む気無し |
|
利舟 |
秋時雨暇は無いけど行く気あり |
|
博苦 |
秋時雨その気あるけど食う気無し |
|
博苦 |
秋時雨彼女居るけどやる気無し |
|
博苦 |
秋時雨その気無いけど暇だから |
|
クロちゃん |
新鮮な鰯骨からこぼれそう |
|
てるみ |
なかおちを料理しながらつまみ食い |
|
博苦 |
ふうふうと眼鏡も曇る摘入汁 |
10/29 |
遊遊 |
寒々と心に刺さる月明かり |
|
遊遊 |
色ずきに心も和むあさ化粧 |
|
てるみ |
風が吹きメールの代わりの枯葉舞う |
|
クロちゃん |
ひんやりと光り輝く十三夜 |
|
てるみ |
降りそうで降らない天気に惑わされ |
10/30 |
トンチン句会 |
兼日題は「秋深し」「紅葉」 |
|
だるま君 |
紅葉よ 誰を想うて 飾りけり |
|
だるま君 |
ひと年の 励みに紅葉 飾りやる |
|
だるま君 |
秋深し 妻老いたるを 我に見る |
|
だるま君 |
秋深し 我老いたるを 妻に見る |
|
だるま君 |
秋寂し 励みの衣 重ね着る |
|
博苦 |
秋深し雪駄に足袋で足が冷え |
|
博苦 |
初紅葉一冷え毎に色を変え |
|
てるみ |
体力を維持する義母に秋深く |
|
てるみ |
近くとも遠くの母にも秋深く |
|
てるみ |
修学やときめく胸にほほ紅葉 |
|
てるみ |
ビル谷間遠慮しがちに紅葉し |
|
ぱふぱふ |
風招く誘い上手な初紅葉 |
|
ぱふぱふ |
秋深しクレパス色が山降りる |
|
ぱふぱふ |
子が巣立ち二人の膳や秋深し |
|
ぱふぱふ |
点前する懐そっと初紅葉 |
|
利舟 |
盆栽の楓のみが紅葉し |
|
利舟 |
伊勢芋の葉が黄ばみて秋深し |
|
利舟 |
夜明け前10度切りて秋深し |
|
利舟 |
銀杏葉の一枚のみが色づいて |
|
利舟 |
すすき穂の夕陽に映えて黄金色 |
|
利舟 |
桐の葉の全てが散りて秋深し |
|
利舟 |
グラウンドの白線消えて秋深し |
|
pink |
車窓から木々色づきてもの思う |
|
pink |
背の紅葉包帯解いて写真撮り |
|
pink |
秋深し軒下会議群れすずめ |
|
pink |
秋深し胴まき貰い感謝せむ |
|
クロちゃん |
紅葉の便り山から麓まで |
|
クロちゃん |
秋深し日を追うごとに着膨れし |
|
かみ |
白湯を酌み交し居て秋深し |
|
かみ |
紅葉に会うところまで登る道 |
|
博苦 |
秋深し 隣の客も 柿を食う |
|
青柳さん |
紅葉散る 酔い覚め水の 心地よさ |
|
青柳さん |
可愛さや 赤子の手に似た 紅葉かな |
|
青柳さん |
竿先の へらに夢乗せ 紅葉散る |
|
ネック |
秋晴れを 仰いで紅葉 気づかされ |
|
ネック |
秋深し 増す食欲に 驚かん |
|
まさよん |
初暖炉 こうかああかと 秋深し |
|
まさよん |
紅葉を 一枚添えたや 秋の膳 |
|
ささき |
富士山へ もみじ求めて バイク駆る |
|
ささき |
富士山は もみじ衣に 雪かぶと |
|
てるみ |
ツーリング肌に感じる秋の風 |
10/31 |
クロちゃん |
秋の夜に友来阪の知らせあり |
|
まさよん |
クロちゃん |
|
てるみ |
秋さなか身動き取れぬもどかしさ |
|
利舟 |
露に濡れ丸々実る蕪白し |
|
利舟 |
大根の青首光り陽斜め |
|
てるみ |
最近は大根にも勝つ腰の下 |
|
まさよん |
秋雨が 5ヶ月ぶりに 露つくり |
|
まさよん |
高い空 空気澄みて月 雨上がり |
|
てるみ |
天高く我肥ゆる秋いとかなし |
|
クロちゃん |
あと少し落ちるとき待つ枯葉かな |
|
てるみ |
枯葉見て気分に浸る我何処 |
|