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4月1日 博苦 断ち切れぬ想い届かず桜散り
ふじいさむ パット咲き パット散りだす 桜かな
古苑 待つのにも疲れ果てたる春の宵
4月1日 イチロー 駄菓子屋で 覚えた金の 使いみち
ふじいさむ 川越の 駄菓子や横丁 懐かしや
古苑 駄菓子屋の軒先いつも社交場
4月3日 博苦 焼き筍炙って風味閉じ込める
古苑 めぐり来て土筆のきんぴら春の膳
4月3日 博苦 小春日に 介護バス待つ 散歩道
てるみ 墓参り桜並木を家族ずれ
古苑 小さき手に乗せて春呼ぶ桜餅
4月4日 博苦 初恋にタイムスリップ春の宵
4月4日 高麗屋 清明とう難しきけふ雨激し
高麗屋 ムスカリの紫美しと媼いふ
高麗屋 花冷えの雨の道の辺友と遭ふ
高麗屋 母の日に贈る花々育てをり
古苑 母の日は娘の手料理試食会
4月5日 イチロー ネクタイは 黒一本の 老いの坂  
古苑 黒の服いつでも用意の年になり
てるみ 訃報有り気重に羽織る黒羽織
4月7日 イチロー 熨斗袋 桜が散って 欠伸をし
博苦 夜半の雨耐えて川面を桜色
てるみ 散る桜散歩帰りの犬の上
4月7日 クロちゃん 満開の桜で祝う入学式
クロちゃん 暖かくチューリップも開きすぎ
博苦 新入生肩より広きランドセル
ふじいさむ 中学に 入ったと孫から 電話来る
てるみ おしゃれした親子連れ見る桜道
4月8日 博苦 花祭り父の分まで手を合わせ
ふじいさむ テロ防止 夜桜祭り 今年なし
てるみ 寂しげに桜提灯風に舞う
4月9日 イチロー 春炬燵 まだまだだよと 足を入れ
ふじいさむ 寒がりで 朝晩世話に なるコタツ
古苑 無意識にスイッチONの春炬燵
てるみ 帳簿付けコタツの中で朝むかえ
4月11日 イチロー 遠山の 雪も絵を書き 春近し
古苑 あちこちに田を打つ音の春を告げ
てるみ 匂い立つ田んぼの緑楽しみに
4月12日 NANA 桜舞う 風の流れに 色添えて
NANA 桜散り 道にふんわり 花毛氈
ふじいさむ ひらひらと 散って絨毯 桜色
てるみ 花びらを目で追い季節を感じ取る
古苑 散るために己飾るか桜花
4月13日 祐華 蓮華草広がる季節花絨毯
博苦 法蓮草和えて鮮やか木の芽味噌
てるみ なつかしや友と遊んだ蓮華草
古苑 蓮華草田んぼにいっぱい春が来て
4月13日 博苦 水茄子に蓴菜泳ぐ揚げ浸し
博苦 皮むきの茄子を浸けずに指を浸け
4月13日 イチロー 話尽き でも抜け出せぬ 春炬燵
古苑 春炬燵のっそり出てきた猫二匹
ふじいさむ 一人身の 膝を温める 春コタツ
4月13日 クロちゃん 葉桜の見える窓からそよ風が
クロちゃん リハビリも若い力の新入生
クロちゃん 暖かく散るのが早いチューリップ
ふじいさむ 色々な 品種が増える チューリップ
古苑 雪やなぎ春よりかるくこぼれ散り
4月15日 博苦 『また、来ます!』勝る礼無し客の声
ふじいさむ 「また、来ます」 本当に来てねと 念を押す!
イチロー 客の世辞 跡の中身を 見て判じ
4月15日 イチロー 新築の 工事現場に 春の音
古苑 青空に槌音ひびく春の午後
てるみ 春が来てあちらこちらで引越し便
4月17日 イチロー 鮭さえも 帰る故郷 何故捨てる
ふじいさむ 人生の 楽園求めて 里帰り
てるみ 東京っ子帰るところも東京都
4月19日 イチロー 初年金 うれし淋しが 重なって
古苑 年金の 窓口相談 はがき舞う
てるみ 国民の年金積み上げ家建てる
4月21日 イチロー 結び目に 酒と子供と 夫婦愛
古苑 春風にふかれほろ酔いコップ酒
てるみ 春先の新酒選びに目を細め
4月21日 クロちゃん マンションの垣根にツツジ白、ピンク
クロちゃん 街路樹の満開つつじ目の保養
クロちゃん 風薫るリハ室の外はツツジ咲く
古苑 春うらら買い物ついでの庭行脚
てるみ さつきかなつつじなのかな美しく
4月22日 古苑 春風に大きく伸びする車椅子
4月22日 博苦 吸い口の柚(ゆう)と土筆のハーモニー
4月23日 イチロー 晩酌の 自販機我が家に あれば良い
古苑 久方に レンジでチンする 温め酒
てるみ 鼻つまみ体のためと薬用酒
4月24日 博苦 たぐり湯葉醤油垂らして甘さ増し
古苑 昼休み土手にのぼりて蓬摘む
4月25日 イチロー 廃屋の 解体邪魔する 名残雪
てるみ 廃屋も絵にしてみれば芸術品
4月27日 イチロー ランドセル 親の希望も しまい込み
古苑 カバーかけみんな黄色のランドセル
4月29日 イチロー 盆栽の 梅の古木や 皺深し
てるみ コケ羽織る古木の姿日に映えて
古苑 小さき背で背伸びして咲くチゴノユリ

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